百科クラブ初代会長のブログ

資格、勉強、雑感について

何も考えずに始めたiDeCoのメリットを改めて調べてみた

 会社の先輩から「iDeCoと積み立てnisaはやらない理由がない」と言われて始めてからもう2年になる。

 一応金融機関に勤めていることもあり、メリットを説明してほしいと友人から訪ねられることも何度かあった。その場を乗り切れるだけの説明はできたつもりだが、自分で納得のいく説明はできたことがない。

 反省の念を込めて、また、自分で文章にしながらより理解できることを期待して、iDeCoのメリットを調べてみた。

 

【そもそもiDeCoとは?】

・「individual-type defined contribution pension plan」の略であり、日本語にすると「個人型確定拠出年金」を意味する。

・大前提として、年金には、公的年金私的年金の2種類がある。公的年金は国家によって管理されており、加入が必須である。私的年金は、公的年金を補うものとして、個人や企業が任意で加入するものである。iDeCo私的年金の一部。

確定拠出年金とは、掛け金を予め決めておく年金のこと。将来の給付額は、拠出額と運用の実績によって変動する。それに対して、確定給付年金とは、将来の給付額が確定している年金のこと。拠出額は、将来の給付額を賄うために必要な金額を複雑な数理計算によって算出される。

・個人型とは、個人が拠出する年金のこと。企業が拠出する年金を企業型という。

・つまり、私的年金には「個人型⇔企業型」という軸と、「確定給付⇔確定拠出」という軸の2軸でタイプが分かれる。iDeCoは、「個人型」かつ「確定拠出」だ。ちなみに、個人型確定給付年金はないようだ。

 

iDeCoのメリット】

・積み立てたときに税金が安くなる

 拠出額の全額が所得控除の対象となる。つまり、拠出額に応じて所得税と住民税が安くなる。

 節税シミュレーション(https://www.tantonet.jp/qa/2257#case02)で、年収500万円、毎月の掛け金12,000円で計算したところ、年間で28,000円税金が安くなるという算出結果が得られた。

・運用益に税金がかからない

 通常、投資信託の運用益には20.315%の税金がかかるが、iDeCoの運用益には税金がかからない。

・年金を受け取るときに税金が安くなる

 将来の給付額も所得控除の対象となるため、受け取るときも税金が安くなる。

・他にも、運用先が選べる、低コストの商品が多いなどあるが、今回は割愛。

 

【まとめ】

・「人生80年時代」から「人生100年時代」に移りつつあると言われるなか、長期的な資産運用(資産を増やす)手段としては有用に思われる。

・年金を受け取れるのが60歳からなので、60歳までに自分の人生を終えるつもりならばiDeCoを始める意味はない。

・今自由に使えるお金に困っておらず、普通預金として預けているお金が一定程度あるのならば、iDeCoを始めた方が良い。

 

【参考】

iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/

イオン銀行タマルWeb(https://www.aeonbank.co.jp/ideco/special/088/

・たあんと(https://www.tantonet.jp/

自粛警察と進化心理学 ― 『だまされ上手が生き残る 入門!進化心理学』の5章を読んで

 今年大学生になった妹と一緒に進化心理学についての新書を読んでいます。今日はその読書メモを記事にしてみました。

 

【感想】

 この章では、長く続いた狩猟採集時代の生活において、集団での協力関係を形成することが生きる上での重要な条件であったことから、人の心が、集団のルールを破る裏切り者の存在に敏感になるよう進化したことが述べられている。
 興味深いのは、『最近、社会で不道徳な行為を見かけても注意をする人が少なくなったと言われます』(石川, 161p)という記述だ。
 つまり、裏切り者を見つけ、然るべき処罰を与える動きが現代社会の一部において弱くなっているという。確かに、このような言説は、読者も少なからず耳にしたことがあるだろう。
 
 近頃、他人に注意する人が少なくなったと言われる要因は、共同体の消失(または社会の個人化)にあると考える。
 かつて、共同体としての繋がりが強かった時代は、出会う人は同じコミュニティに属する人が大半であった。相手がどのような人であるか、また、どのような人でないかが凡そ検討がつくため、注意はしやすい。また、注意をして自分が属する共同体の構成員の振る舞いを改善させることは、自分にとってメリットであった。
 しかし、職業が多様化し、交通網が発展した現代社会において、もはや私たちが近所で出会う人はどこの誰かはほとんどわからない。素性がわからないので、注意した時にどんな反応が返ってくるか予測ができない。相手によっては恐ろしい反撃を受ける可能性がある。また、同じ集団に属しているという意識も薄れつつあり、注意をするメリットも薄い。道を歩いている時にすれ違う人や、電車で隣に座っている人は、たまたまその場で出会った、その場限りの関係であることがほとんどである。
 このような社会の変化が、注意をする人が少なくなった要因であるだろう。
 
 その中で、新型コロナ感染拡大を機に登場した「自粛警察」の存在は注目に値する。

 自粛警察はまさに、狩猟採集時代に我々が進化によって獲得した、裏切り者に敏感に反応する心の働きによるものだ。
 また、自粛警察の登場は、匿名性を持つインターネットによって、自分が守られていることが大きな要因だ。インターネット上では、強く注意したとしても、憤った相手から自分が報復されるリスクは限りなく低い。対面の場合は、注意すべき他者の行動を目撃したとしても、何か報復されるリスクがあるために関わらないという戦略を選択する人は多いだろう。
 この報復リスクの低さがインターネット上での自粛警察の登場と大きく関わっていると考える。直接お店に貼り紙をするといった攻撃も見られているが、やはり、匿名性を保った形式が多い。
 また、インターネットでは、そこで出会うほとんどの人が素性がわからない他人であり、実生活では関わりえない人にアクセス可能である点が自粛攻撃をプッシュしていると思われる(おそらく、自粛警察構成員の攻撃対象は、自分がほとんど利用しないお店であろう)。
 

【まとめ】
 自粛警察の登場は、進化心理学の知見を踏まえると、営業自粛、外出自粛という私たちのルールを破る裏切り者に敏感に反応している自然な存在である。
 ※自粛警察の行き過ぎた要請の是非が問われているが、本記事では良い悪いの価値判断をしている訳ではないので、留意いただきたい。

 

【参考図書】

石川幹人, 2010, 『だまされ上手が生き残る 入門!進化心理学』, 光文社新書

 

コンテナが世界を変えた?-『コンテナ物語』を読み始めた

2ch創設者であるひろゆき氏がお勧めしていた、『コンテナ物語-世界を変えたのは「箱」の発明だった』を読み始めた。

今や世界中の国で作られたものが手に入る時代となった。そのグローバリゼーションの発展には、実はコンテナの発明が大きな影響を与えた、という話である。

金融業界にいるので、あまり物流や製造業に関わることはないのだが、楽しみである。

 

理由はよくわからないが、Amazonで電子版を購入したら50%ポイント還元された。僥倖。

 

CISSPの受験記録

CISSPの試験に独学で合格しました。勉強期間は約4か月ほどです。

情報セキュリティ業務経験はほとんどありません。

まだまだ日本での受験者も少ないマイナー資格ですので、非常に簡単にですが、利用した参考書などをまとめておこうと思います。

これからCISSPを受験する方の参考になれば幸いです。

 

【筆者紹介】

・金融機関のIT部門の若手社員。

・情報セキュリティの業務経験はなし。

基本情報技術者応用情報技術者に合格済(勉強を始めた時点)。

 

【勉強方法】

50万円程度かかるセミナーの利用は経済的に厳しかったので、独学での合格を目指しました。

まず先人のCISSP受験体験記を読ませていただき、利用すべき参考書の情報収集をしました。

私が利用した参考書は以下のとおりです。

インプットとして①と②と通読した後、アウトプットとして③、④を3周ほど回し、90%以上解けるまで続けました。

 

 ①暗号技術入門

暗号技術入門 第3版

暗号技術入門 第3版

  • 作者:結城 浩
  • 発売日: 2015/08/26
  • メディア: 単行本
 

情報セキュリティの基礎知識である暗号についてわかりやすく教えてくれる本です。

応用情報技術者で学習済の分野でしたが、本書を読むことで理解を深めることができました。

読み物として面白かったので、CISSPに関係なくおすすめです。

一読し、次に進みました。 

 

 

②ALL IN ONE CISSP

やや翻訳が怪しいところはありますが、CISSPでは本当に貴重な日本語で書かれた参考書です。内容も平易で、英語が苦手な方にとってはぜひおすすめです。

出題ドメインの大半をカバーできているとのことなので、一読プラスよくわからなかったところを再度読み直しました。

インプットよりアウトプットを重視したので、①と②はともに軽く読んだだけです。

 

 

 ③EXAM CRAM CISSP

洋書です。基礎レベルの4択問題が1000問以上収録されています。

 

 ④OFFICIAL PRACTICE TESTS

CISSP Official (ISC)2 Practice Tests

CISSP Official (ISC)2 Practice Tests

 

洋書ですが、公式問題集ということで、利用必須かと思われます。

こちらも4択問題が1000問以上収録されている問題集です。

メールアドレスを登録することで、オンラインで問題を解くことができます。非常に便利でした。

学習記録も残せるので、間違えた問題のみ再度解く、といったこともできます。

③と④を繰り返し解き、ほぼ全ての問題を理由込みで解けるようにしました。

大体3周程度こなしたことになると思います。

 

 

新版 CISSP CBK 公式ガイド

新版 CISSP CBK 公式ガイド

  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: Kindle
 

非常に高価で利用していませんが、有用な本だと思います。

お金に余裕がある方はぜひ。

 

【受験当日】

東京在住なので東京会場で受験したかったのですが、平日しか予約ができませんでした。仕方なく、大阪会場を予約しました。

試験内容はIDAに反するため記載しませんが、テストセンターで最長6時間の試験となります。途中休憩、見直し込みで4時間ほど経過した辺りで提出し、合格通知をその場で受領しました。

 

【合格後】

メールにて正式に合格通知が送付されてきます。私は業務要件を満たしていないので、準会員として認定をいただきました。

 

 

元東大生がセンター試験2019解いてみた②国語

こんにちは。

今回の科目は国語です。

 

センター試験の国語は1問あたりの配点が全科目中最も高いので、受験生にとっては最も怖い科目と言えるのではないでしょうか。

国語で大失敗してしまった......という方は少なくないはず。

採点時の緊張感は今でも忘れられません。

自分の代はここ数年で最も難しく(確か平均が100を下回った)、覚悟を決めて採点した結果、3ミスで乗り切ることができ、嬉しさのあまり叫んでしまったことを覚えています。

 

結果

解いた順に並べてあります。

1.漢文(50/50)

2.評論(42/50)

3.小説(42/50)

4.古文(42/50)

合計:176/200

 

1.漢文(50/50)

杜甫と叔母の家族愛に関する文章でした。

わかりやすい文章だったと思います。

 

問1「乃ち」の意味は最初「すぐに」を選んでいましたが、文脈に合わなかったので、

「やっと」に変えました。

問2以降も漢文だけで意味が取れなくても、選択肢を読む中で「ああ、こういう話なんだな」と理解して解くことができました。

紛らわしい選択肢も少なかったと思います。

 

2.評論(42/50)

翻訳の限界に関する文章でした。

東大入試で似たような文章読んだ記憶があります。

調べたら、2013年東大入試前期第1問のテーマが「翻訳」でした。(湯浅博雄ランボーの詩の翻訳について」より出題)

もはや外国語に触れない日はないとまで言えるほど外国語に囲まれながら生きている私たちにとって、「翻訳」というテーマは非常に身近に感じられます。

さて本文ですが随想調で非常に読みやすく感じました。

設問は満点を取りたかったですが、問5(本文の趣旨と異なる発言を選べ)を間違えてしまいました。

②と③で迷いましたが、③の「なぜ」が「そんなに」にかかっていると思い、驚きの大きさに疑問を持っている訳ではないから誤りだ、と考えて③を選んでしまいました。

確かに、翻訳の仕事の基本について②のように述べている箇所はないので明らかに②は誤りですね。

 

3.小説(42/50)

1ミスでよかった。いや本当に。

......と採点して心から思いました。

センターの小説はほぼ毎年話題になるように、安定しにくい科目ですよね。

問3を間違えてしまいましたが、問4,5も全く自身がなかったので、1ミスで済んで良かったという感想です。

少しでも怪しい箇所があったら切る、というセンター国語定番のテクを厳しく使うべき問題だったと思います。

自分は問3の②「月見草を傷つけまい」の箇所が本文から見つけられなかったにも関わらず選んでしまったので、こういう間違いは避けたいですね。

 

4.古文(42/50)

ネットで話題の「玉水物語」です。

まるで現代小説にもありそうな展開、描写で楽しめる文章でした。

玉水が呟く→姫君が想い人を尋ねるというシーンが昔にもあったことに驚きました。

文章の流れはつかみやすく、単語知識が抜けていながらも1ミスで留まることができました。

間違えた問5は文意が取れず読み飛ばした箇所が解答根拠だったので、仕方なし。

単語知識が抜けていながらもなんとか読めたのは、敬語の向きと各文の主語を意識して読んだからだと思います。

 

全体を通して

176/200という思いのほか好成績でした。

例年より易しい年だったのかもしれません。

国語は解くたびに「次は満点取れる」と思ってしまいます(取ったことはない)。

来年は兄弟が受験するので、おそらくまたチャレンジします。

次は満点かな!

 

次回は英語です。

 

 

 

元東大生がセンター試験2019解いてみた①世界史B

こんにちは。

先週の土日はセンター試験が実施されました。

未だに受験コンテンツが好きな僕は、早速チャレンジしてみました。

 

 

【筆者のプロフィール】

受験者:東大卒のサラリーマン。

大学合格時のセンターは88%。

選択科目:世界史B、日本史B、化学

 

この記事では世界史Bについて書きます。

受験生時代は最も得意でしたが、如何せん暗記要素が強い教科であり、入学後はほとんど触れていないので自信はない......

おそるおそる1問目を見てみる。

ヴェルサイユ宮殿ルイ14世だっけ。フランソワ1世ではなさそう。

タブリーズってどこだ。トルコの地名ではないだろうから多分誤り。

③は正解そう。

アルハンブラ宮殿はスペインにあるからトルコのセルジューク朝ではないはず。

 

こんな感じで解いていきました。体感では8割5分くらい。

 

【結果】

79点

完顔阿骨打が金の人か契丹の人かで迷ったくらい、基礎レベルの知識がごっそり抜けていました.....

「あ〜〜これどっちだっけ」と最後2択を絞り切れない問題が多かったです。

 

 【終わりに】

世界史Bは、基本的な知識をどれだけ、かつ正確に覚えているかどうかが非常に重要なので、単純に勉強量が重要です。

受験期は、センター対策として黒本(河合のセンター過去問集。掲載年数が多い)だけやっていました。

この科目は対象となる地域が広く、普段馴染みのないカタカナ用語が多いので大変ですが、海外旅行やニュースなど世界史の知識があると役立つ場面は多いです!

来年受験される方はぜひ楽しく学んでください。

 

次回は国語について書きたいと思います。